イソップ物語にも出てくる心理現象。認知的不協和理論

"イソップ物語の狐とすっぱいブドウという話をご存知ですか?狐が木になっているブドウを食べたいけど木が高くてどうしても採れないことに腹を立て、「あれはすっぱいブドウに違いない」と負け惜しみを言って立ち去るという話です。これは心理学的には認知的不協和と呼ばれるもので、人間関係にも見ることが出来るものなのです。

認知的不協和とは?

よく例に挙げられるのが喫煙者の話です。ここにある喫煙者がいます。そしてタバコは一般的には肺がんの元と言われています。この際に「タバコは肺がんの元だが喫煙する」と言う矛盾がおきます。禁煙をすることでこの矛盾を解決できるのは誰もが知っていることです。ですが、タバコは依存度の強いものなので禁煙をするのは非常に苦痛が伴います。そこでこの矛盾を解決させるために別の理論をもってくるのです。例えば、喫煙者でも長寿の人はいることや喫煙が原因よりも交通事故で死亡する確率が高い、と言ったようなことです。このように二つの要素の中で矛盾が発生した状況を認知的不協和と言い、人は一方の要素を変えることでその状況を解決しようと試みるのです。もっと簡単に言うと心で思っていることと実際に行動が食い違っている状態を言います。

人間関係における認知的不協和

例えば会社で難しい仕事を上司や先輩に頼まれます。仕事ですから懸命にやります。しかし、どんなに仕事を頑張っても彼らは仕事だからと思ってそのことを褒めてもくれません。この時に「なんでこんなに頑張っているのに認めてくれないのか?」と思うかもしれません。これが認知的不協和の状態と言えます。このもやもやとした状況を何かしら回答することでそのストレスから逃れようとするのです。例えば「上司が意地悪しているからだ」とか「まだ頑張りが足りない」などがあるかもしれません。実際に行われた実験では報酬に違いのある単調なつまらない作業を学生に行わせて、次にやる学生にその作業の楽しさを伝えるという形で行われました。結果的はわりに合わない報酬に対して本当は面白かったのでは?と思うことで不協和の状態を解消しようとする心理が働くというものでした。

男女関係での認知的不協和

男女の関係では別れ話が分かりやすいでしょう。別れ話を持ち出した方が内心、きっと引き留められると考えているとします。すると相手はあっさりOKと答えたとしましょう。この時実際に思っていたことと違う状況、不協和な状況が発生するのです。すると別れ話を切り出した方が心理的には動揺します。この場合「自分の事はそこまで好きじゃなかったのかな?」といった感じで自分の心理状況の解消を図ると考えられます。ここを上手く突いてあげればこういった状況を乗り切ることが出来るかもしれません。もし別れを切り出されたら強気に反論するのではなくあえて受け入れてみるのも一つのテクニックと言えます。ただし、相手の性格や状況次第ではうまくいかない可能性も高いのであくまで選択肢の一つとして覚えておくといいでしょう。

人間は急なストレスを受けるとどうにかしてその状況を改善しようとする生き物です。今回の認知的不協和もその一つ。今の感情を納得させようとします。覚えておいて損はないでしょう。


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