嫌いから好きへと一気に傾かせるテクニック

“嫌よ嫌よも好きのうち”ではありませんが、初対面で「嫌い」だと感じた相手のことをいつの間にか「好き」になっていたというのは、少女漫画をはじめとしたラブストーリーの定番です。多くの人は「そんなの、フィクションの中だけの話でしょう?」とお思いになるかもしれませんが、実はこれも、心理学で説明のつく現象なのです。

初めは嫌いだった人のことを好きになってしまうのはどうして? 「嫌い」から「好き」へと一気に傾かせるには、どうしたらいいの? 恋愛に役立つ心理学のテクニックについてお伝えします。

「嫌い」から「好き」へ傾かせるなら、ギャップを狙え!

初めは嫌いだった人のことを好きになる、というのは、心理学でいうと、以下のように説明がつきます。まず、第一印象で「嫌い」と感じた相手への評価は、他の人よりもずっと低く設定されます。相手にまったく期待をしない、マイナスの状態になるということです。この状態ができたあとに、その後、相手の良いところが見えてくると、評価がプラスへと跳ね上がります。このとき、普通の人が0から1へと評価が上がるのに対して、初めから評価が低い人の場合は、マイナスから1へと評価が上がります。このように、初めの印象が悪い人ほど、その後に良い印象を受けたときの衝撃が大きくなるのです。このことを、「行為の獲得―損失効果」と呼びます。

たとえば、いつも冷たい態度の人が困ったときに真っ先に助けてくれた、いつも怖い顔をしている人が家では動物を可愛がっていた、などの状況を想像してみてください。普段から助けてくれる人や、普段から動物を可愛がっている人よりも、なんとなく「この人、実はいい人だ!」という驚きが起こりますよね。このようなギャップによって、相手の気持ちが「嫌い」から「好き」へと一気に傾くことがあるのです。

ジブリの名作『耳をすませば』から学ぶ

スタジオジブリの名作『耳をすませば』に出てくる登場人物「天沢聖司」は、まさにその好例。ギャップを上手に利用している少年だといえるでしょう。『耳をすませば』の主人公である月島雫という少女は、初対面の天沢聖司からいきなり軽口を叩かれ、不機嫌になってしまいます。しかし、雫はその後、ひょんなことから聖司との仲を深めてゆくようになるのです。彼の人間性のさまざまな側面を見るにつれて、出会いの瞬間とは打って変わって、好印象を抱く雫。もしかしたらこれも、「行為の獲得―損失効果」かもしれません。

これほどまでに意図的にギャップを作り出すのは、現実では少し難易度が高いですね。しかし、初対面の時にちょっと意地悪く振る舞っておいて、後から少しずつ良いところを見せてゆくというのは、比較的、作りやすいギャップのひとつといえるでしょう。とはいえ、初対面であまりにも嫌われてしまって、その後に会う機会を失ってしまった――なんてことにはならないよう、やり過ぎにはくれぐれもお気をつけください。

初対面で気になった相手の気を引くなら、「行為の獲得―損失効果」を利用してみましょう。初めて会ったときに嫌われてしまっても、その後の関わりの中で意外なギャップを見せることができれば、相手のハートは一気に「好き」へと傾いてしまうかもしれません。

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